鎮静・鎮痛・筋弛緩のまとめ
鎮痛法
- フェンタニル0.1mg/2ml → 計10A = 1mg/20ml
- フェンタニル10A + 生食30ml → 計50ml
- フェンタニル20μg/ml → 1-5ccフラッシュし, 1-5ml/hで投与開始する
※ 副作用として鎮静, 呼吸抑制, 腸管蠕動低下, 嘔気・嘔吐がある
※ 腸管蠕動抑制などで栄養管理が難しくなる場合, 適宜ケタミン, デクスメデトミジン, アセリオ, ロピオンなどを併用する.
鎮静法
① 1% プロポフォール(200mg/20ml/1A) ※2%ならこの1/2量で(必ず確認)
- 原液1.5-5mlフラッシュし, 1.5-5ml/hで開始
- 1-4mg/kg/h(BW50kgで5-20ml/h)で調整 ◆高容量(>4ml/kg/hr, 48時間以上)ではPRISに注意する
- 体動時1-2ml早送り, 0.5mg/kg/h(BW50kgで2.5ml/h)ずつup
※ 循環不安定な患者に使用する際は要注意
※ 中止後10-15分程度で覚醒する
※ 脂質製剤であり最低12時間ごとに交換が必要. 感染予防には単独ルートで, ライン感染に要注意.
※ 副作用として, 高中性脂肪血症, 汚染によるsepsis, 横紋筋融解症, 急性膵炎, まれにPRIS. 制吐作用がある.
② ミダゾラム (10mg/2ml/1A)
- 鎮静量:0.02-0.1mg/kg/hr (BW50kgで0.2-1.0ml/h)
- てんかん重積量:0.05-0.4mg/kg/hr (BW50kgで0.5-4.0ml/h)
※ フェンタニルと併用すると特に呼吸抑制強い
※ せん妄リスクが高くなる. 使用するのであれば短期間が条件. 不用意に使わない.
※ 36-48時間以上の長期間持続投与で大量投与の際には, 突然の中止でベンゾジアゼピン離脱症候群が起こる可能性がある
※ 大量投与かつ長期間投与の際の減量は25%/24時間ずつとするべき
③ プレセデックス (200μg/20ml/1V)
- 1A(200μg)+生食48mlを0.2-1.5μg/kg/h (BW50kgで2.5-19ml/h) で開始
(※loadingするなら, BW 50kgで12.5ml/hで1時間投与)
※ 簡単な目安として, 体重×0.1-0.2ml/hから開始する. loadingは体重×0.2-0.3ml/h
※ 呼吸抑制, せん妄が少ない点がメリット. 呼吸抑制少ないためフェンタニルと相性が良い.
④ ケタミン (50mg/5ml/1A)
- 体重50kgで0.5-2.5ml ivし, 0.2-2ml/hで開始
※ 鎮痛, 鎮静作用両方ある.
※ 血圧低下がない. 循環動態不安定ねショック状態の鎮痛・鎮静に使用可能
※ 自発呼吸温存が可能. 気管支拡張作用もある.
筋弛緩法
◯ エスラックス50mg/5ml/1V
・ 挿管時には0.6-1mg/kg ivで用いる. 作用発現1-1.5分, 作用持続30-60分
◯ スガマデクス(ブリディオン) 200mg/2ml 1V, 500mg/5ml 1V
・ エスラックスで万が一CICV(cannot intubate, cannot ventilate) になっても, 16mg/kg使用で約6分程で筋弛緩が回復する